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OVK01 クイズ~外壁造形速度の違い [OVK01]

さて以下の2つのキューブは積層厚が0.2mmと0.1mmとちょっと条件が異なりますが、どちらが40mm/sで印刷したものでどちらが20mm/sで印刷した造形物でしょうか?

IMAG1588.jpgIMAG1589.jpg





正解は↓にスクロール























正解は初めのキューブが40mm/sで次のキューブが20mm/sです。

直交型デザインの3Dプリンタにおいて、座標を0,Y→0,0→X,0という風に片側のモーターが急停止する方向へプリントヘッドを動かした場合、角においてY軸の位置を0に固定するのですが、慣性重量により完全に停止できずに微妙に揺れます。

IMAG1588_2.jpg

その揺れがコーナー直後に残像の様に残り波打ちします。一般にバイブレーションやリンギングと呼ばれている現象です。実際に肉眼で見てみると光を当てる角度に気を付けないとわからないぐらいの僅かな波打ちなのですが、見る角度によってはものすごーく気になります。

筺体剛性が無い、直動パーツのすきま誤差が大きい、タイミングベルトの質が悪い(芯線が緩く伸びが大きいと振動の収束に時間がかかります)、ベルトテンションが適正に張られていない、フィーダー用のモーターがプリントヘッドに乗っているダイレクト型なのでヘッドが重たい、ヒートベッドが造形中に水平方向へ動いている(PurusaI3とか)のでそもそも慣性重量が大きい、といった具合に主にメカニカルな問題で発生します。

 

先日出力した kight remix さんをつかってよく観察してみましょう(クリックで拡大できます)インフィルもシェルも40mm/sで印刷しています。
IMAG1587_2.jpg

エッジの立つ角にリンギングが出ていますね。

 

対策としてはメカニカルな問題をクリアしたうえで、ファームウェアによる補正に頼る、ソフトウェア制御によって慣性重量を下げるといった手法があります。

OVK01においてはメカニカルな対策は十分にやってきたつもりなので、今回は単純に造形速度を20mm/sに下げることにより慣性重量を下げるといった対策を取ることにします。

同様の対策はアルミシェルボディーで筺体剛性が高く、高品質な部品を使っているZortraxのスライサでもやっていることです。

では単純に造形速度を20mm/sに落とせば、、、、と行きたいところですが、それだと出力するのにとてつもなく時間がかかります。

ですが、見えないところ=インフィルやインナーシェルで少々発生するのは問題無いので、インフィルの造形>インナーシェルの造形>アウターシェルの造形と速度を可変すればいいのです。

ちなみに段階的に速度を落とすのは先日説明したヘッドスピードの変化に対する押し出し圧力のレスポンスの遅延による影響を極力出さない為の措置です。


以上を踏まえて Sappho's Head  を450%サイズで出力してみます。

http://www.thingiverse.com/thing:105551

印刷条件はCura15.04.04 ノズルサイズ0.4mm 積層0.05mm infill30% infilloverlap 0% 壁厚1.2mm 印刷速度 infill 60mm/s innershell 40mm/s outershell 20mm/s フロー90% VerbatimABSφ1.75mmシルバー ノズル235℃ ベッド110℃ です。

IMAG1590.jpg

以前の設定ならもみ上げあたりにリンギングが出るところですが、綺麗に抑えられていますね

あごの下のオーバーハングにできてしまったもじゃもじゃをお掃除して撮り直し

IMAG1592.jpg

 

最後スマフォカメラでなくでちゃんとしたデジカメを使って少しボケ気味に写りの良い角度で撮り直したもう一枚

IMG_3613.JPG

なんかフィギュアを愛でる人の気持ちがちょっと分かってきたような気が、、、^^;

 

 

これでまた一歩打倒Zortraxへ一歩近づいたでー

ただし下から覗いちゃだめよん。

印刷にかかった時間は6時間17分でした~

 

 

~2016年3月30日追記~

今回のCuraの設定値についてさらっと解説します。

積層厚:0.05mm → Zortrax越えを目指すに当たり、Zortraxではできない設定値にしました。フィギアを出力する用途以外では設定することは無いかと。

印刷速度:infill 60mm/s innershell 40mm/s outershell 20mm/s → 外壁ループの最外と内側とインフィルの印刷速度を分けています。これについては下の外壁1.2mmの項目で説明します。ちなみに積層厚0.05mmだと60mm/sの印刷速度ではカスレます。が、インフィルなので少々崩れても良しとしています。40mm/sぐらいだと安定して描けます。

壁厚:1.2mm → 外壁ループを3周させるための措置です。CuraのスライサはZ軸リフトとした次に外壁ループの内側から外側に反時計回りに書いていって最後にインフィルを埋めてZ軸リフトという繰り返しのパスを描くのですが、外壁の最も外側を20mm/sでリンギングが出ない様に綺麗に描くにあたり、インフィル→Zリフト→外壁ループの内側→外壁ループ外側と徐々に印刷速度を落としていってノズル内圧を徐々に下げることによってフィラメントの射出量の安定を企てているつもりです。外壁ループの一番内側はいわば捨てループです。

これでZortraxのスライサ風味に近付けたつもりです。( http://ginger-soft.blog.so-net.ne.jp/2016-03-24 を参照)外壁ループが3重になりますが、インフィルを外壁と同じ速度でゆっくり描くよりかは大幅な印刷時間の短縮ができます。外壁厚が増えた分の影響がどう出るかはは大型のオブジェクトを印刷してみないとわかりません。おそらく収縮による影響が2重ループの外壁より、顕著にでるのではないかとおもわれます。

~追記終わり~

 


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